ネル袋の出現
ネル袋は十八世紀に入って、フランスを中心に伝わりました。
それまではトルコ風に煮出したコーヒーの上澄みを飲んでいましたが、
ネル袋の出現で、こすと言う新しい方法にたどり着いたのです。
ヨーロッパ風の近代コーヒーが誕生したのです。
その後、さまざまなコーヒーの器具が開発されましたが、
ネル袋は今をもって、おいしいコーヒーの原点です。
ネル袋の長所
ネル袋は、袋の中のコーヒーを押さえたり掘ったりせずに、
コーヒー全体に熱湯をいきわたらせることができます。
コーヒーが山なりにふくらみ、細かく泡立ってドリップが始まれば、
ネル袋を通してコーヒーのよさをすべて抽出させることが出来るのです。
ネル袋を選ぶ
ネル袋は形と大きさのバランスが大切です。
握りこぶしを入れて確かめ、中指の第二関節を袋の中にあてた時、
親指のつけ根くらいまで、すっぽりと収まるものが、3、4人分のネル袋として適当です。
ネル袋の手入れ
新しいものは、熱湯で数分間煮沸してから使いましょう。
使う時は、そのつど、きれいな水で洗い水気をよくきります。
使った後は、十分に水洗いして清潔な水に浸して、
冷蔵庫で保存するのが良いでしょう。
また時々しか使わない場合は、よく洗い煮沸した後、湿ったままの状態でポリ袋にいれ、
冷蔵庫で保存することにより湿潤状態が保てますので、そのように保存すると良いでしょう。
ネルフィルターは繰り返し何回も使えますが、
コーヒーの豆が目詰まりしてくると、布全体が黒ずんできます。
黒ずんできた時が交換時期と考えたほうが良いかもしれません。
おいしく淹れるコツ
■ネル袋の中のコーヒーを軽くたたいてコーヒーを平らにならし、ドリップしやすくする。
■沸騰したてのお湯を、コーヒーの中心にゆっくりと注ぎはじめる。
コーヒーは約四十秒ほどで全体が湿り、ネル袋の中でおいしさを膨らませる。
コーヒーをおいしく飲むために
器具によって、コーヒー豆はローストの程度、挽き方、その量などを微妙に変化させなくてはなりません。
一粒のコーヒー豆には、どのようにも対応できる、幅広い可能性が秘められているのです。
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